インタビューVol.26「生きているうちに意思表示を」

ライフエンディンサポートへお寄せいただいた供養にまつわるエピソードをご紹介いたします。

あなたの供養にまつわるエピソードを教えてください

東京都 青龍仙人掌さん 30代

我が家のお墓には父方と母方の2つのお墓があり、各お墓に3代に渡り墓石に名前が刻まれていたのを記憶しています。
大人になって気づいたのは先祖も災害や戦争など時代の荒波にもまれ生きていた証が墓石に刻まれてきた没年号だったこと。決して裕福ではなかった時代でもこのように墓石があったことで、季節に応じてお墓参りへ行くことで供養ができていました。
年に数回、今は亡き祖母様がいて、墓守であった伯父の家に集い、近況の報告や子供の成長を皆で確認をしていました。

毎年、お盆とお正月には両家のお墓にお参りをし、何泊か泊まり、親族と交流を重ねて行くのが楽しみでした。仏事には正装をし、お寺さんに供養をしてもらっていました。
お墓を綺麗にし無病息災を願ったり、幼少期には集まった親族からお小遣いを貰ったりご馳走を食べたり、今もなお鮮明にあの頃の思い出が甦ります。人間関係は良好で、問題はありませんでした。
母方の代々受け継がれてきたお墓は、2011年東日本大震災の際に津波により壊滅いたしました。
懐かしい思い出も見るも無残に跡形もなく消え去りました。

墓守主も亡くなり、納骨も8年経った現在でも定まっておらず、散骨も検討しましたが未だに実家の祭壇に色褪せた先祖の写真と大好きだった伯父と伯母の遺骨があります。

誰が墓守をするかで問題となりました。
親族の高齢化が進み、お墓を再建するゆとりがなくなっていったことやもともとあった墓地の再建も定まっておらず、震災の津波によりほとんどの親族が亡くなり、母が考えなくてはならず、過労から病に伏せてしまったりという時期がしばらくありました。

もちろん金銭的にも墓石に保険は適用されず全額を負担せざるを得ない状況であったり歴史的にも稀に見ない災害であったからなおのことでしょう。
しかし、お墓には先祖が確かに生きていた証が唯一刻まれ、後世に引き継がれていく時代の流れとともに薄れつつある親族との関わりですが、お墓があるという事で先祖に泥を塗れない生き方をする、心構えの様な季節の節目で報告する風習は絶やしたくはない。

疎遠になっている、家族との話し合いのきっかけにもなるので、墓守をされている方やこれから検討している親族がいるならば、少しづつでも金銭の工面を検討して頂きたいです。あまりお墓参りにはいかないという方も、たった一度の人生の最終場所である、お墓の手入れで訪れてみたり没後どこに永眠するのか生きているうちに決めるのも良いと思います。
お子様がいる方でしたら、幼少の頃から毎年お墓参りに行く習慣を作ることで記憶に根強く残るもの。墓守を受け継ぐのは、押しつけではなく当たり前であるという躾となる事でしょう。

次世代への継承を見据えて環境を整え、受け継ぎやすいようにするのも墓守の役目だと考えます。
正直いうと自分が死んだ後は任せなくてはならないので、生きているうちに意思表示を誰かに伝えておくのも手段のひとつです。