インタビューVol.21「本当に大事なことは、亡くなってしまった大切なひとたちを忘れないことだと改めて思いました。」

ライフエンディンサポートへお寄せいただいた供養にまつわるエピソードをご紹介いたします。

あなたの供養にまつわるエピソードを教えてください

東京都 すがもんさん 50代

初めてお墓について考えたのは、高校生ぐらいの頃だったと思います。お盆前に帰省し、父と二人でお墓の掃除に出向きました。我が家のお墓は実家から車で5~6分ほどで到着するお寺にあり、墓石自体は自然石をそのまま置いた小さなものでした。
周囲の大きな構えの墓石の中では、目立たず埋もれているようでしたが、私と父は気に入っていました。「ピカピカに光ってほとんど削れて行くことのない御影石とかより、自然に少しずつ小さくなっていくこの石が味があっていいな。」というのが父の口癖でした。

その父が亡くなったのは13年前のことでした。お通夜・お葬式と悲しむ暇も無く、相続の手続きに必要な書類をかき集め、やっとほっと一息つけると思っていたところに母から「お墓、どうする?」と言われたのです。生前の父と「この石は趣きがあっていいね。」と話していた私としては意外な言葉でした。

母の考えはこうでした。「お墓をきちんとしたものに整えることが、亡き人たちに対する一番の供養になる。あの小さい墓石のままでは、亡くなった両親や夫が気の毒だ。」体裁を気にする母らしい言葉でした。弟の考えも母に近いものでしたが、世間体というよりは父への感謝の気持ちを、墓石を新しいものにすることで表したいということでした。実際、これ以降お寺やお墓などに関わる一切の事案を処理していくのは弟と母になり、私はあくまでもサポート役なのであれこれと口を挟むのは好ましくないと考えつつも、父との話を思い出すと複雑な気持ちになりました。

先祖伝来の土地でお墓を構えるとなると、どうしても他の家と比較してしまい本来の目的だった「供養する」という行為からはかけ離れていってしまいがちな気がします。お盆やお彼岸に皆でお墓参りして、おじいちゃんやおばあちゃん、もっと前に亡くなった人たちに思いをはせる、それができればいいのではないか。
私自身は大きな墓石の下に納められるより、自然が豊かで静かな土地で樹木葬にしてもらえたら幸せかな~と思っています。なんとなく気が向いたときに、ふらっと訪ねられて、とくにお盆だとかでなくても気持ちのいいお天気の日とかに、話しに来てもらえたらうれしい。普段は、家に写真かその人を連想させる絵とかを置いて、日々の生活のなかでお花や好きだったお菓子とかをお供えして手を合わせる。本当に大事なことは、亡くなってしまった大切なひとたちを忘れないことだと改めて思いました。