インタビューVol.18「家族の形が変わっていっているからこそ、お墓の在り方も柔軟に考える必要がある」

ライフエンディンサポートへお寄せいただいた供養にまつわるエピソードをご紹介いたします。

あなたの供養にまつわるエピソードを教えてください

大阪府 匿名希望 30代

姉と兄がいて、私は次女にあたります。
実家側のお墓は父側が京都、母側が鹿児島にあり、鹿児島のお墓には小さい時に一度参った記憶しかありまん。
嫁いだ身なので、実家側のお墓参りは比較的近い京都のほうに半年に一度ほど行く程度で、特に親戚の誰からも「もっとご先祖供養しないと」といったプレッシャーは受けていません。
ただ、自営業で忙しい独身のおじが1人でお墓の管理をしているので、「なかなか参れないだろうな、お墓どうなっているかな」などと、暑い夏は特に気になってしまいます。
1歳児の育児中、下の子の出産も控えているので、無理してまではいけませんが、行けない分自宅に実家用の手作りの祭壇を作って手を合わせ、少しでも供養になればと考えています。
プレッシャーに感じてしまうのはやはり、長男に嫁いだので、夫の実家側のお墓参りや供養に関してです。
義両親が月に一度は双方のお墓参りをする方々で、家の仏壇用とお墓用にキレイなお花を買って行かれます。
70代を超えられて私たちに孫が生まれてから、「一緒に行かない?」と、私と子供(息子)に声がかかることも増えてきました。
それ自体は、「ご先祖を大切に思う心を、子供が小さいうちから教えられて有り難い」と思います。
しかし孫にあたり、古い考えでは後継ぎにあたるためか、息子に「おばあちゃんたちが死んだら時々来てね」と言われると、「息子が大きくなって参れるようになるまで、何とかこのお墓を管理していかないといけないんだな」という使命感のようなものを感じてしまうようになりました。
実父は長男ですが、私の実家がお墓参りをする習慣が薄く、自宅の仏壇に炊き立てのお米や買ってきた果物やお菓子をおそなえして先祖供養とする程度だったので、「毎月高価なお花を買って片道1時間はかかる山に登り、キレイな状態を保てるかな」と、経済的にも体力的にも年齢を重ねるほど、夫の実家と同じレベルのことを続けていくことに「自信がないな」と思うことがあります。
義父は長男で一人っ子なので、同じく長男である夫、つまり私たち夫婦が中心にお墓を管理することになります。
お姉さんが2人いますが、それぞれ長男に嫁いでいるので、どうしても「自分たちが息子のためにも、お墓を守っていかなくては」と、今からプレッシャーに感じています。

お墓の管理費用に毎年どれくらいかかるのか、お寺の催しなど、檀家が参加しなくてはいけないものがあるのかなど、まだまだ把握できていないことが多いのも不安要素の一つです。

お墓という、手を合わせて、命やみえないものに感謝する対象は大切だと思います。
しかし現在生きて生活している人たちが負担に思うほどには、管理したり購入する義務はないと考えています。
実家のお墓を大切にするつもりで、親からもそう期待されていても、人生何が起こるかわかりません。
海外にご縁があって仕事や結婚でなかなか帰れなくなったり、震災などで遠方に暮らすことを余儀なくされたりも起こり得ます。
事故や病気でお墓参りや、経済的に管理費を支払うのが厳しくなることもあるでしょう。
「どんなときでも、先祖代々のお墓を大切にしてこそ供養につながる」という考えは、少子化が進んだことと、インターネットが普及し、遠方の人とつながったり、離れた場所の状況がリアルタイムで把握できる現代には、もうなじまないように思えます。

例えば「ネット供養」という方法が現れ始めました、お墓という現実に存在する物体を管理していくのは大変なので、現実に存在するお寺のお墓をインターネット上で購入し、そこに手を合わせるという手段をとる人も増えているようです。
大変さより手軽さを選択することが、気持ちが軽いと特にネットになじみのないご高齢の方に思われがちですが、昨今登場した液体ミルクへの批判の問題と似ているように思います。

「お乳の出が悪いのに、苦労して授乳したり、寝不足でも夜中に起きてお湯を沸かしミルクを作る手間を省くこと=悪、愛情が薄い」という考えには疑問です。
最新の家電が登場して、洗濯機は乾燥までしてくれて、育ち盛りの子供がいる親たちは手間が省けて助かっていますが、愛情がなくなったわけではなく、その分家庭の団欒の時間に回せていると思います。
お墓参りも同様で、たとえ管理が厳しくお墓というものがなくなっても、ご先祖様への感謝の気持ちを伝える手段が変わるだけで、命への思いがなくなることはないと思います。

「立派なお墓に、どんなに忙しくても遠方でも、足を運んでこそご先祖様が喜ぶ」のではなく、離れていてもなかなか会いに来れなくても、時々思い出してくれたりする方が、自分が亡くなる側だと考えた時に嬉しいと感じます。
義務感のようにお墓に来られても「負担をかけて悪いねぇ」と思うかもしれません。
生涯独身だったり、結婚しても娘一人しか生まれなかったりと、家族の形が変わっていっているからこそ、お墓の在り方も柔軟に考える必要があると思います。